【二硫化タングステン(WS2)の性質】 |
二硫化タングステン(WS2)は固体潤滑剤としての物性に顕著な特長を保有
従来、潤滑剤として一般に使用されているのは石油系の油およびグリースがその大部分を占めていました。 近年、工業技術の進展に伴い機械類の出力、回転数、摺動速度、荷重の増大、 ならびに高温や真空などの厳しい環境での使用に対応する新たな固体潤滑のニースが高まっております。また、 クリーンな雰囲気の維持と環境保全も極めて重要となっております。 二硫化タングステン(WS2)は二硫化モリブデン(MOS2)より酸化温度が約100℃高く、耐熱性および極圧性に優れ、 より低い摩擦係数を示します。
二硫化タングステン(WS2)5つのポイント
- 二硫化タングステン(WS2)は、高面圧に強い!
- 荷重が大きくなるほど、摩擦係数が低下する傾向は固体潤滑剤の中でも特に優れています。
- 二硫化タングステン(WS2)は、熱に強い!
- 450℃の高温でも潤滑性を発揮し、焼付防止に役立ちます。
- 二硫化タングステン(WS2)は、摩耗に強い!
- 工業技術院機械研究所の耐久試験では二硫化モリブデンの3倍以上の耐久性を示しています。
- 二硫化タングステン(WS2)は、クリーン!
- 産業廃棄物の減少効果をもたらし、環境を保全します。
- 二硫化タングステン(WS2)は、省エネ効果大!
- 摩擦係数の低減により消費エネルギーを減少するだけでなく、部品寿命を延長して省エネ とコストダウンを実現します。
二硫化タングステンWS2の性質
【二硫化タングステン(WS2)の特長】 |
【製品の使用例】 |
- 金型および鋳型
- ボール軸受およびローラー軸受
- 工作機械、ピン、タップ
- エンジンおよびドライブトレーン部品
- エアーバイブレーター、空気圧モーター
- 電気コネクター
- 回路遮断器およびスイッチ
- チャック、コレットおよび工具
- 電気モーター
- 圧搾機械および加減抵抗器
- 産業用ギアおよびベアリング
- スライド機構
- タイマー機構
- パイロット弁、チェーンソー
- ゴムガスケット、Oリングシール
- 磁気ヘッド
- シームローラー
- 消火器
- 人工衛星および航空機の部品
- 高真空応用製品
- 低温ポンプ 等
【摩擦試験の結果】 |
この試験方法は油圧の摩擦係数を曽田式四球試験機により測定したものです。 そしてこれは球表面の摩擦の圧力によりヘルツ式から算出しています。
MoS2とWS2の摺動法耐久試験と摩擦係数の関係
グラフのデータは次の条件によって試験したものです。
米国製MoS2=0.2um・WS2=0.2um
Cu板
2.4kgf
0.46mm/sec
120mm/min
温度と摩擦係数との関係
この試験は、津谷式摩擦係数試験機で測定しました。 (工業技術院機械試験室にて)
WS2 outperforms all other solid lubricants